あの頃からの友人が食べ物を持って泊りに来る。
「あの人の事、諦めるの?」
相手からの問い。
夜、布団を並べて横になっている私と相手。

「ん~…前々から思ってたけど、私ってほら生命力低いじゃん? 人としても幼稚で出来てない事多いし、おまけに世間知らず。こんなのと一緒にいたら不幸になる可能性の方が高いしさ。あの人には幸せであってほしいんだよね~」

と、滅多に言えない本音を言ってとても恥ずかしい気持ちになる。

「でもあの人はさ。ムイを選んでムイと生きたいと思うけどね。そのために付き合うんじゃないの?」
「…それでも、やっぱり大好きな人が自分のせいであれこれ大変なのは嫌だよ」
「ムイはちゃんと向き合ってない気がする。あの人と」
「………」

顔を見ずに言われた言葉に何も言えない。
あの人はちゃんと私を見て、二人の事を考えていて、私は相手の事ばっかりを考えている。
その ズレ は確かにずっと感じてた。
……それでもやっぱり私は自分の事を考えられない。

それはなんのせいだろう?
昔から 変わり者 扱いされてきたし、そもそも思考そのものがおかしいのかもしれない。

枕元にある携帯が震える。
ディスプレイを覗く、あの人からだ。
私は涙目になりながら、その電話に………

夢から覚める。とても嫌な夢を見た。
ああいう事をしたら、そりゃ憶えてるし夢にも出るよなぁ。
自業自得で自己満足の永遠の傷。