友人—彼の話に私はただ、ふぅん?とだけ答えた。
最近、彼の周りには大物が集まっているかのように錯覚する。
……いや、彼の視野の広さを考えたらそれは錯覚のではないのかも…?

「お前、反応薄いな~」
「だって私、有名人?すっっごく疎いですもん?」
「……まあ、それは俺もだけどさ」

だってほら? 有名な人っていっても 私 ではなく 他人 だもの。
そこに一般人、有名人関係ないもん。私視点からはただの mob なだけ。

「それより、恋人出来ましたか?」
「できねーよ、バーカ!」
「あ、でもその声の感じ。何かあったのでしょう?」
「……お前、そういうとこだけなー」

そういうところだけって……。
まあ、確かに自分の事はそこまで鋭くはないけども…。

「違う人から告白されただけだよ」
「あらまぁ、で…断ったんだ?」
「うん。好きじゃないし」

また始まった。
"好きじゃないし"
貴方ってそんな人じゃなく、いいな、ってレベルで付き合える人でしょう?
……あ、いいなって思える人じゃなかったってだけの話か。

それなら納得。

「俺は恋人いなくても生きていけるもん。でもアイツは生きていけないんだと思う」

彼の言葉に私は少しだけ笑った。
貴方はどうか知らないけれど、周りからは 強がっている としか見えてないよ?
早くそこに気付いて欲しい。

そうすれば、きっと—