彼が企画したものがあった。
結果的には彼はその企画から抜けることになった。

「なんであいつが引き継いでんだよ」

あいつ、というのは彼の元恋人の事だ。

「企画の参加者達にもう抜けた企画のことで連絡くるの嫌い」
「もう貴方は抜けたのでしょう? なら関係ないじゃないですか。何を気にしているの?」

私の言葉に彼は数秒、止まる。
そうだな、そうだった、と納得している。

多分、彼はもっと別の何かを気にしているが、それには気付いていないんだろう。
それとも気付いていて、気付いていないふりをしているのか…。

「本当、引き継ぐ理由が分からん」
「…すきな人がやってた企画だから? その参加者達が好きだから? 理由なんて沢山ですよ」
「そういうの本当、大嫌い」
「何事にも 相対 はあるもの。子供がいて大人が。無職がいて社会人が、好きな人がいて嫌いな人が、それこそ企画を大事と思う人もいれば、そうじゃない人もいます」

分かってないような、分かったような彼の返事。

まあ、またいずれ似たような事を言う時がくるだろうから、少しずつ分かってもらえたらいいな、と私は思うのだった。