「許してやってくれないかなぁ」

事情を聞いた後
私は彼にそう言った。

「それは無理。許せないよ」

彼がそう言ってくるまで一瞬の間さえなかった。

大体、それを元カレに言ってくるか?
分からないで振られたんだぞ? こっちは。
なんでアイツが凹むんだよ、凹みたいのはこっちなんだよ!

一瞬でもアイツを助けたい、って思ったのが嫌で嫌で仕方なくて職場で泣いてしまった。

彼の想いは言葉として溢れ出た。

「好きならいいじゃん。好きの感情だけでいいじゃん、そこにあいつは自分はっていう定義付けたものなんていらないじゃん」

それでも彼はもう無関係だと言う。

「アイツなら大丈夫さ」

「大丈夫じゃない!」

「一ヶ月もあれば立ち直る。そうじゃなくてもアイツの親友がいる」

「親友さんだって手放すかもじゃん」

「…お前はちがうよな?」

---は?

「親友にお前の番号教えといた。面倒くさくなったらここに電話しろって」

「…なんで?」

「最悪の時だけ何とかしてくれるヤツだからって。それを親友がアイツに教えるかは知らんけど」

……バカ。
本当にバカ。

「もし連絡がきたら、なんとかしてやってくれ」

分かってる。
連絡がくるとは思わないけど、きたら何とかするさ。

情報も渡すし
「分からない 」も一緒に考えて答えまで見つけてやるよ。