別に彼だけではない。
思考が宇宙(?)に行くのは。
私だって時々は行くし行ったら暫くは帰ってこれない。
ずっとずーっとぐるぐる廻っている。

彼には恋人がいる。
そんな恋人さんと暫く会えなくて彼女への気持ちが
「好き→好き?→好き…?→好きって何?」
となってしまった。

そもそも好きというものは気持ち―感じるものなのだから
「感じるもの」を「考え」で答えを出そうとするのは無理がある。
だって私達はまだそんなに長く生きてきていないのだから。

「一緒にいなくて寂しい」
これが何よりの答えなのに。
彼はそれに気付いていなかった。

様々な答えの中からひとつだけ彼に伝える。
彼は答えを得たけれど、寂しさは埋まらない。
当たり前である。

それじゃあ解決すればいいじゃん。
会いに行けばいいじゃん、と言うと

「ムイは会いに行く事で相手を疲れさせることを考えていない」

と彼は口を開けて言った。

何故、彼は会いに行く=相手を疲れさせるという思考を持っているんだろう?
固定概念なのかもしれない。

別に長時間―相手を疲れさせるほど一緒にいなさい、なんて言ってない。
5分でも10分でも、それこそ抱き締めたり頭を撫でたりするだけでいいじゃないか。

そもそも。
そもそも、だ。

彼から会いに行く、なんて事はレアだと思うんだよね。
友達である私には会いに来てくれたりはするものの、やっぱり恋人に会いに行くっていうのは
彼の中で「そういう事」になっているんだろう。

貴方が会いに行けば
絶対に恋人さんは嬉しいはずだ。

友人は無事に宇宙から帰って来て
それこそ恋人さんの元へ行ったらしい。

結果はいわずもかな。

やれやれ。
本当に手の掛かるカップルである。