中身は勿論、それなりに外見も必要である。
中身だけ重要なんて、とてもじゃないけれど私は言えない。
……まあ、贅沢だとは分かっている。

相手はとても良い人だし。
恰好良い人だと思う。
同じ大人だったしてもそう思える。

告白?はされた。
でもお互いに知らない事ばっかりだし…。
好きになってくれて嬉しい気持ちは当然、ある。
だけどそれに上手く応えられるか、は別のお話である。

私は好きな人しか絶対に付き合わない。
そう決めたのがどれくらい前だったのかは思い出せない。
それは現在もちゃんと持ち続けている。

友人達は言う。
「ムイならすぐじゃん?」
「まずは適当に付き合ってみたら?」

すぐなんて事はない。
誰でもいいなら、すぐかもしれないけれど、好きな人って限定してるのだから。

適当に付き合ってみたら?
それでもし相手を好きになれなかったら、ごめんなさいだ。
相手の時間も奪うし、申し訳ない。
そんな事を言ってくる友達は、たまたま適当に付き合った相手が良い人だったからだと思う。
数打たないとダメって事は十分知っている。
だからこうなっているのも知っている。

それでも―…。

あの子も言っていた。
大好きだったあの子だ。

「自分は好きな人としか付き合わないからなぁ…」

それで良い。
それで合っているんだ。
少なくとも私とあの子はそういうタイプだった。
それだけの話であって、今回は友達止まりになるだろうなぁ。