後輩の事で寂しがる資格なんて私にはないのに寂しがっていた私にその人は言って来た。
「どうせぐるぐる考えているんでしょ?」って。
……本当にその人の言った通りで、私は後輩を失った寂しさとこれまで後輩にしてきた事に対してひどく後悔していた。

自分のやってきた事。
色んな事に首を突っ込んで。
自分の面白くない結果が待っていそうな時には無理やり軌道を変えてみたりした事もあった。
勿論、相手の意思を優先して行動したが、それでもやっぱりそのほとんどは自分勝手なものであり、間違っているのかもしれないと思いながらもやってきた。

「それでも、救われた人がいるのは本当の事だよ」

その人はそう言ってくれた。
でも私はそれで立ち直れるほど強くはなく、それは相手も知っていた。

「ゲームをしよう」

相手はそう口を開いた。
ゲーム…ゲームか…。
相手は私よりずっと年上の人であり、ゲーム歴も長い。
プレイヤースキルなんて私が1だとすれば相手は10ぐらいだろう。
そんな人と何のゲームをするのか…。

「やるのは格闘ゲーム。罰ゲームはあるから」

ばかじゃないのか?と思った。
私と相手じゃ勝負にならない。
……でも、この寂しさやグチャグチャに混ざっている気持ちをどこにぶつければいいのか?

「……いいよ」

今日は曇りにつき偏頭痛。
おまけに昨晩思いっきり泣いているのでさらに頭が痛い。
何かを考えるだけで頭がズキズキする。

そんな私に対して相手はお酒が入っている。
酔っていそうな感じで思考は通常時と比べれば鈍いだろう…。
……ほんの少しだけ希望が見えた…気がした。

数時間。
私と相手は格闘ゲームをした。
結果は私の全敗である。

相手は確実に手を抜いていた。
隙があれば大技や連続技を入れるわけではなく、小攻撃だけでその隙を何度も何十回も何百もついてきた。

それはとても屈辱だったし。
何より苛立ったのは相手はもうベロベロに酔っている事だ。

私は心が折れた。
現実でもゲームでも「うまくいっていない」事に。

そして相手の意図が分かった。
今回、わざと私の心を折りに来たのだ、と。

……本当、容赦のない人だ。
だけど、相手と同じ事を私はこれまでに何度もしてきたはずだ。
そのせいで色んなゲームをやめていったのを知っている。

私がゲームをやめたら、その人達に失礼じゃないか。
私はまたゲームを再開する。
そして負け続けた。

「そろそろいいか。罰ゲームはこれまで恥ずかしかった事をブログに書く事」

……はずかしかった事?
よくもまあそんな鬼のような事を考えるな。

でも約束だ。
書く事にしようじゃないか。
貴方との出会いからね。