それは沖縄旅行2日の深夜頃。
私以外の人達は既に宿で眠っていると思っていたら、一人の男性が私の隣に座った。
私はというと彼が来るまで宿にあるベランダのベンチに座って、ただ一人、星を眺めていた。

彼「どうよ? 現実世界は?」

私「何? いきなり?」

彼「いや、言い忘れてた事があってね」

私「……ふぅん? まあ現実世界というよりは「生きる」ってすごく大変だなぁって実感しましたって感じでしょうか」

彼「俺とムイがネットで一緒に遊ばなくなって何年だっけ? 10年?……11年ぐらい?」

私「多分、12年ぐらいだよ。当時のプレイビデオを見れば分かる」

彼「ああ、まだ持ってるよ。そのビデオ」

私「そりゃ持っててくれないと困りますわ」

彼「つ~か、あれからもう12年か~…あれからまだムイはオンゲやってんだもんなぁ……12年……いや、すげぇな」

私「その”すごい”はバカにしてるでしょう?」

彼「いや、うん。まあね」

私「なんでかな~? 面白さも知ってるはずなのにな~…」

彼「楽しさはそりゃ知ってるけど、得れるモノはなかったからね」

私「得れるモノ……それって現在の私との繋がりを否定する事になるんですけど?」

彼「ああ、いやコレはコレであってもいいんだけど、俺が言ってるのは生産性の話であってね」

私「趣味に生産性を求められてもなぁ…そういうすぐに生産性、生産性言うのは駄目だと思うよ?」

彼「そりゃ言うだろ…俺達はもう大人なんだからさ」

私「大人は常に生産性を求めて生きろ、なーんて言われてないでしょう?」

彼「言われてないけど、生産性はいるの!生きるためにい・る・の!」

私「……はぁ。つまらない子だなぁ」

彼「お前が自由過ぎんだよ…」

私「まあいいや…貴方がそれでいいって言うならそれで、私の知った事ではないし」

彼「そうだな。本当にその通りだ」

私「んで? 言いたい事があったのでは?」

彼「ん…あぁ……おかえり」

私「………うん?」

彼「ネットからリアルに」

私「あぁ、そういう事ね……」

彼「返事は?」

私「ただいま……とはいえ、まだ続けますけどね」

彼「でも、前みたいにはやらないでしょ?」

私「そうね…前みたいにはやらないしやれない」

彼「なら仕方ないなぁ。本当だったらやめて欲しいんだけどね」

私「そうはいかない。だってゲーマーですからにゃ~」

彼「ハイハイ、自称ね」

私「ハイハイ、自称です」

彼「本当、お前とは相性最悪だわ」

私「お? そこは全力で同意出来ますね」

彼「これからもよろしくな」

私「本当にね」