現在やっている仕事を辞める事になった。
別にそれ程、長く勤めているわけじゃないし、情も持ってないだろうって思ってた。
職場での同僚、先輩、上司達…皆、本当に良い人ばっかりなのは分かっていた。

辞める旨を上司に話すと、上司は静かに口を開いた。

「もしさ。辛かったり何かあったら戻って来ていいから。その時は人事に相談するからさ」

社交辞令だろうと思う。
けど、その言葉を聞いて私は

―あ、まずい。
純粋にそう思った時はギリギリだった。
両目から涙が出る寸前だった。

―気付かれてないよね?
そう思って、普段通り仕事を始める私。

危ない、危ない。
私は人間として出来てない。
だからこんな私は嫌われ者―憎まれる人にならないといけない。
そうなれば私が人様に迷惑を掛けるよりも先に相手が消えてくれるからだ。

心に触れてきたもの
それは上司が言ってくれた言葉。

……たまにいるんだ、そういう人達は。
本当に良い人達だ。

戻りたいけど、戻ってはいけない。
先に進む事が現在の私にとって必要な事だからだ。

だから「さよなら」じゃなく。
「またね」です。