暗い部屋
暗い部屋制作委員会


内容:光の入らない閉ざされた部屋で、少年は母の死体のそばに座り込む。腐り始め、においを放つ死体を眺めながら、少年は慌てることもなく静かに自分の死を意識する。 やがて空腹と疲労にに耐えかね、寝そべったそのとき、部屋のドアは開かれ、少年の新しい生活が始まる。 諸事情により出版停止となった唐辺葉介の小説をデジタルソフト化。

 感想:特典である冊子抜きの感想です。
まず一言、これは人を選ぶ作品だとは思うけれど、個人的には面白かったです。
書かれている文がすごく魅力的だった、そして作者様は現実―というか「人間」をよく理解出来ている人なんじゃないかなぁって感じた。

物語にあまり意外性がない。
でもだからこそ文才が分かる…素直にすごいと思います。

そしてこれ、誰も別に悪くないよなぁって思うし。
”こういう家庭”って現実でわりとありますよね~って事がただただ悲しい。
でも現実味はすごいあるし、読んで損はないです、ホラーでもないし。
やるせない気持ちでいっぱいだったけれど、あの二人にはぜひとも幸せになってもらいたいものです。