感想:浅井京介は一介の学園生。友人たちや妹とバカをやりながら昼を「学生」らしく平穏に過ごす彼は、夜は義父の片腕として辣腕を振るう「ビジネスマン」の顔もあった。そんなある日、学園に気怠げなテンションとぼさぼさのロングヘアーを引っ提げた転校生、宇佐美ハルがやって来る。奇妙な言動で何となく京介たちとつるみつつ、時折鋭い知性を覗かせるハル。自分に近づいてくる彼女をわずかに警戒しはじめた京介に向かって、ハルは彼の裏の顔を見透かすように問いを発した。 「魔王、知らないか?」 後日、仕事をこなし続ける京介に一通の奇妙なメールが届く。とある古典を模したと思しき短い文面の件名は「The Devil」。そして街の闇に浮かび上がり、義父たちの「ビジネス」を妨害し始めた「魔王」らしき存在。義父の命令を受けて「魔王」の炙り出しを始めた京介は、彼らを挑発するように引き起こされる事件を、その影に蠢く「魔王」をハルと共に追うこととなった。

感想:まず最初に一言だけ。
鉄板作品で申し訳ない(笑)

さて本格的に感想などなど。
キャラはいいのにメインルート以外の物語が面白くない。
そして主人公が所謂「ワトソン役」から抜け出せないのがなんとも…。
一番がっかりしたのが魔王の正体…ですね…確かに確証がなく決め付けるのもどうかと思うけど…そのオチは個人的にないなぁ、と。

このへんの理由が「車輪」を超えられないんだろうなぁ、と思います。
でも読ませる文としてはさすがです、トリックはイマイチでしたが「車輪」と比べないのなら十分、良作だと言える魅力はあると思われます。

最後に。
昔、ハルと私が似ていると言った友人よ。出てきなさい!
私はこんなに頭良くないし、そもそも気持ち悪くないです!
……多分。