私は過去、同級生を見捨てた事がある。
その同級生の人間性が不快だった事もあるけれど、まず助け方がさっぱり分からなかったからだ。
それと単純に私には助ける力がなかった。

実家にいる両親から連絡がきた。
連絡がくるのは特別、珍しい事ではない。
引っ越した私の生存確認を毎週してくる。
それ自体は微笑ましい話ではあるんだけどね。

両親からの連絡―私の生存確認、お互いの近況報告、世間話……ここまではよかった。
だけどその後、両親が口に出したのはその同級生の事だった。

「そういえば、一昨日ぐらいに来たよ? 例の子」

親が言う「例の子」とは私が見捨てた同級生の事。

―カチン。
同級生の人間性を思い出し、私は不快になった。
あの子…まだ……!

「ほほぉ…それで? 追い払った?」

私の言葉に親は勿論、と言った。

勝手に同じ境遇と勘違いして親近感持たれていたし。
この調子だと同級生はまだ彷徨い続けるんだろうなぁ、あの田舎町を。

仕事もしないで、これといった友人もいない。
身内からは腫物扱い、仕草も恰好も人を不快にさせる同級生。

もしかしたら私の携帯番号を誰かに聞いて掛けてくるかもしれないなぁ。
その時はどうするか……ん~む。
考えておく必要がありそう。