ある夫婦の願いは

「純真無垢なムイを引っ張ってくれる人」

が現れる事だという。
私のどこが純真無垢だというのだろう?
必要とあらば嘘なんてつくし偽りだって使うよ、私は。

そう告げると夫婦は笑って言う。

―そういう事じゃないし、その嘘や偽りは自分のためじゃないでしょ?

そんな事はない。
自分以外のために使っているという事は自分のためになっている。
だってそれが私のやりたい事なのだから。
やりたい事をやるというのはやっぱり自分のために繋がる。

私、個人としては引っ張ってくれるよりは隣にいて安心出来る人が欲しいんですけども?

そんな意見を夫婦に告げると、夫婦は困った顔をして口を開くのだ。

「お前は良くも悪くも世間知らず過ぎるから「外」をちゃんと見させてくれる人がいいんだよ」

……そう言われ、ムっとした。
確かに以前までの私はそうだったかもしれないけれど。
現在はちゃんと引っ越しして一人暮らししてるもん!

そう私が言っても二人は笑う。

「まだまだ分かった気になるのは早いよ」

と。
とはいっても…私を引っ張っていく人間って…存在するのか…そこがまず可能性として低すぎやしませんか…(汗)