お仕事で予期せぬ地獄を味わっている時に、お店の外からおじいさんが手招きをしていた。

―お客様、かな?

そんな疑問を持っておじいさんの方に歩いてみる。

「…コンピューターとか得意?」

―はい?
私が答えるより前におじいさんは口を開き続ける。

「いや、この携帯の音量を上げて欲しいんよ」

見ると、おじいさんの手には使い慣らされたガラケーが。

ーええっと。
私が働いているのは携帯ショップさんではないんだけれど…でも勤務中だし…でもおじいさん困ってるし……。

案の定、アワアワする私。

とりあえず、携帯を見せてもらおう。
おじいさんの承諾を得て、携帯を手に取り操作する。

ガラケーって懐かしいなぁ。
…これかなぁ?(ポチポチ)
操作が終わり、携帯を返すとおじいさんはとても笑顔で言ったのだ。

「ありがとうな~やっぱり若くて可愛い子やなぁ」

……若くもないよ、可愛くもないよん。

そして私は地獄に戻るのであった。