変わってしまうのが怖いと思うのだけれど、そんな個人的考えを無視してこの田舎町は変わっていく。
今日、友人と出掛けている時に聞いた。

「あそこ潰れてない?」

友人の言った“あそこ”とは私が学生時代によく通っていたゲームセンターである。
信じなかったわけではない…けれど信じられなかった。
でも友人の言った通り、そのゲームセンターは閉まっていた。

ここにはどんな思い出があったかなぁ…。
学校が終わり、親友達と合流し良く通った場所。
そして―…。

もう寂しいとは感じなかった。
この田舎町が変わっている事に慣れてしまったから。
そんな自分も変わる事が怖いと思っているくせに以前と比べて変わってしまった。
私の意思に関係なく、ただ自然に。

そのゲームセンターはこの田舎町、唯一の「対戦場所」だった。
普通のゲームセンターとは違い、中級~上級者達が集まる唯一の場所。

考えてみると、お店が無くなったのは良い事だったのかもしれない。(不謹慎ですが)
私はこの町を引っ越すのだから。
新たな街が私を待っているのだから。

たこ焼きを食べながら私はそう思った。