「嫌なら別に良いよ? こんな酒飲みの女とか相手したくないんだろ!」

……はぁ。これまた厄介な事になったもんだ。
呼び出された身としては素晴らしく納得がいかないんだけどな。

「鬱+女の日+酒飲み」
 
とか、どう相手すればいいの(笑)
真面目に相手なんて出来ないのは勿論、分かってる。
だけど、放っておいたらこれ以上に悪化する。

その女性の彼氏は役立たずだし。
まともな話なんて出来やしない。

―とりあえず機嫌取りつつ、お酒で潰すか。

相手が持っているグラスが空になるのを待ってはお酒を注ぐ。

「でさー。ムイってどうなのよー」

あ、また話が飛んだ。
しかも今度は恋愛系の話だ。

「私の事はどうでも良いでしょ? 貴方こそどうなのさ?」

「えー? あームイの顔真っ赤だー!」

話を私に戻すな、恥ずかしい。
基本的に私は自分の事を話したくないんだよ。

数時間後、相手は見事に潰れた。

「おい、恋人の相手ぐらいちゃんとしろ。出来なきゃさっさと別れろ。迷惑」

その言葉を言った私の声はとても低い。

「マジで怒るなよ」

「本当、男って身体以外、興味ないよね。責任ぐらいちゃんととって」

「女は女でお金目的じゃん」

「それが多いってのは事実だけど、そういう人が全員じゃない」

「それじゃあ、ムイが恋人を作らないのはなんで?」

「男女以前に人間が大嫌いなだけ」

「俺の彼女より、お前の方がよっぽど病んでるのかもな」

「……さぁ? それはどうかな?」

こんなのいっぱいいるはず。
人間不信とか恋愛恐怖症とか。
…本当、いろいろ。

さて、帰ってゲームでもするか。